[はて、と首をひねる。
ゾネス総督にではなく、その引き連れた隊列に。
女騎士だけではない。時折街でみかける衛兵までもが随伴していたからだ。護衛という体でもなく血気盛んに。はたして利用したのか、されたのか。]
……喪に服して然るべき時期に、穏やかではありませんね。
[軍属や王城勤めの者たちはともかくとして、王宮から民草へと正式にあった沙汰といえば国葬の日程のみだったか。それも先延ばしになるかも知れぬと囁かれてはいるようだが。]
少し様子を見てまいります。
旦那様とお嬢様は、お屋敷を出られませぬよう。
[混乱している屋敷の主への挨拶もそこそこに。
行軍の後を遅れて追いかける命知らずな野次馬たちの喧騒に紛れ込み、城門の近くへと。**]