[その後も、勇者は黒い悪魔たちを容赦なく浄化していった。
実に手際よいその手腕を眺めたまま、セルウィンはといえば放心しているばかりである。
手渡されたジェムをそのまま無意識に受け取ってしまい、慌てふためいて首を振った]
い、いえ、これはシグルドさんが倒したディアボロスのジェムでしょう……!
[これをわたすなんてとんでもない!
そんなテロップを下に流しながら、彼へと返そうと必死になる]
『さてはお主、あのディアボロスのジェムだから受け取りたくないのじゃな?』
違いますよ、一切戦闘に参加してないのに貰うわけにもいかないでしょう!
[“蛇”の邪推に叫び返すのは本音である。
利用できるものは利用する主義と言う割に、妙に律儀な性分なのであった]