― グランツェルツ橋戦後:カトワール ―[橋での迎撃戦の後。告げられた言葉に素直に従った青年は、カトワールに戻り、触媒を得るために自らつけた傷の手当てを受けた後しばらくの間眠り込んでいた。結界術の展開後、まともな休息を取っていなかった事もあってその眠りは深く。同調している真白の毛玉も同じく意識を落としているのか、ぴくりとも動かない、という状況で。目覚めた後、橋で回収を指示しておいた敵兵の中に指揮官《ベネディクト》がいなかった事を知ると、ひとつ、息を吐いた。そこにこめられた想いのいろは、他者には知れぬものだったけれど。**]