― ある時、街中で ―
[ それはラメールという国に
不穏な噂の種の芽が息吹き始めた頃。
ローレルはある時、街中でその人を見かけた。
背後に立って声をかける。
…それは背後を警戒する幼い頃からの癖で。
だけれど、相手>>90がそのことを知るはずもなく
何となく驚かれたような気がした。
出会い方は何処となく一度目と似て…
立場は互いに似て非なるもの。
あなたは、と、声が返れば
ローレルはどこまでも常と変わりなく
緑色の視線を受けるようにして微笑んだ。 ]
『 ボクはささやかな平和を愛するしがない画家さ。 』
『 おそらくは――きみの敵ではない。かな。 』
[ そこでどんな遣り取りが行われたのか
知っているのは飛んで行った駒鳥くらいのもの。* ]