[ふと思いついたように、右手を伸ばす。人指し指に止まった白蝶が優雅に翅を開閉する。] 何かあるといけないから。[白は、はたはたと飛び立ち、ディークの肩先を漂い舞った。] 僕以外にもこの館には、マスター・ヴァンパイアがいる。 もし万一君の意に染まない何かをさせようとしたら、これに呼びかけて。 可能な限りすぐに駆けつけるから。