──回想・エディ──
[自分がグルトップに乗ることになった頃、
この船にすでに乗っていた中で
若い方から数えた方が早い面子の一人に
彼がいた。
現機関長のテオドールと共に機関部で働く
整備士である。
もっとも、テオドールは機関室に居ることは
稀だったのかも知れないけれど。
そんなエディに、娘は懐いた。
……と言うよりも、前船長に
戦い方やら機械の使い方やらを教わる傍らの
自由な時間を機関室で、彼が機械をいじるのを
眺めているのが好きだった。
植物まみれの故郷では、こんな風に間近に
機械を見る機会は限られていたからだ。
もっとも、自分の気づかない場所で
機械文明は知らぬうちに根付いてもいたけれど]