[視線を逸らした父に代わり、フランツは旅人へと視線を向ける。帽子を被っているため分かり難いが、整った顔立ちをしていると思う。中性的、とでも言うのだろうか。世の中にはこんな人物も居るのかと、そんな感想を抱いたものだ]美人と言えば、美人だよな。[旅人であることも手伝い、目立つ存在だと思う。美形、美人、男女どちらでも当て嵌まる言葉。その中で女性に形容することが多い「美人」を口にしたのは、ほぼ無意識*]