…────、ふ。
[下級天使らが全て消え去り、淡き光の降り注ぐ中、
大天使は光の御船と人の子らを乗せた船と、
それらを見下ろす位置に浮かび続けている。
その身を、やはり淡き光が覆っていた。
その輝きは周囲に満ちるものとは、やや趣を変え。
良く良く見れば、それは大天使の翼の色と同じいろ、
大天使自身の命の輝きが零れ出たものと知れるだろうが。]
───── ふ、ふふ。
[大天使は笑っていた。
心より、最も楽しいものを見たと言わんばかりに微笑んでいた。
試みに白い腕を伸ばせば、やはり淡い輝きが立ち上る。
命削れゆくその輝きを目に、大天使はゆるりと笑みを浮かべた。]