[ 号に応じて騎兵は駆け、誘い込まれたと見せて一部が左右に別れ、周囲の王国兵を蹂躙しようと槍を揮う。
当然王国から降りかかる矢の雨によって落馬するものも居たが、致命傷でない限り、そのまま歩兵として周囲の兵をなぎ倒さんと剣を抜くのもこれまで通り。
ただひとつ、先の会戦と違っていたのは、彼らが長を失い、失ったが故に、その存在を深く心に抱いて戦っていたことだろう。 ]
『
[ 老練の兵が、鉄の盾で振る矢を弾き飛ばしながら槍を大きく振り回す。
その姿と声から伝わる慟哭に似た熱は、若き兵にも伝播して、力を与えていた。*]