もう少し、詳しく聞かせて。
[気づけば専門室にいたあの日より数日、あのバグ騒動の残滓を其処彼処に残しつつも、いつも通りに機能している図書館で、僕は黙秘を決め込んだ。
あの騒動は自分の妄想や夢じゃない。
ローレルも、シメオンも互いを見る眼に親しみ以上のものがあった様に思う]
ふむ…今迄見たことは無かったけど、これが自分の所持物であるのは間違いないと、そう思うんだね。
それで、この杖…平たい部分もある所を見れば、栞かな?
この栞からは嫌な感じはしないんだね。
へぇ…細かい細工だ…――本当に柊の木で出来ている…。
[彼女から受け取った栞をしげしげと眺めて、それさえ済めば、分析なんて要らないとでも言う様にあっさりと、]