[――そうして片付け終わった頃、クララと過ごした図書館での時間が頭の中を駆け巡る。 まだ小さく、シモンに連れられて足を踏み入れた時、そばに来てしゃがみこみ、視線を合わせてくれたこと。 いろんな本に触れさせてくれたこと。 時には、こっそり一緒にキャンディーを口にしたこと。 いつも図書館に行けば笑顔で迎えてくれた、あの人は、もういない。 しかも、この手で殺めた。 例え、姿を変えた人狼だったとしても、身近な人を、この手で―。]