[カヤには話していなかったけれど。私は、カヤの故郷に心当たりがあった。もっとも、あそこにも長居したわけではない。エルフとは友好関係だからと、迎え入れてはくれたけれど。魔族の領地に攻撃をという話が出ている最中で、戦う理由も分からなくて。理由も無いのに戦いに加わることは出来ないからと、すぐに離れたあの地に吹いていた風が。いつも離れず、カヤを護っていたのだから。聞かずとも推測出来る真実は、いずれカヤにも伝わるだろうとも思っていた]