[そして西寮で近習に指示を出し、真っ先に行ったこと。――川から水を運ばせて、犬の身体を綺麗にすることである。10匹もの犬をざぶざぶと洗う総指揮官の姿は、きっとそれまでの印象と違って見えたであろう。] はー、流石にこれだけいると骨が折れるな……。 カレル、そっち頼んだ。[つい気が緩み、昔のように名を呼ぶも。当人はそれと気付くことなく、上機嫌で犬のブラッシングをしている。……相手の反応にまで、気を配る余裕もない。]