そうですね。ぬるいと思いますよ?
だって、私はこの人たちに酷いことなんかされたことないもの。
[侮蔑と取れる言葉を受けても>>108、その時は何もいうことはなかった。
確かに彼女言うことは正論だ。はした金のためだけに子を売り自らの糧とする親はいる。
親の財産を我が物にするために、亡き者にする子もいる。
一人の相手を奪い合い骨肉の闘いをする兄弟だっている。
突き詰めれば、信じられる者など自分以外にいないとだって言えるだろう。
今、目の前の女は修道女という毛皮を脱ぎ捨てて、己をさらけ出した。
吐き出す言葉に重みがある。きっと…そう言わざるを得ない傷跡を心に負ってきたのだろう。
聡い女だ。私達の立場などわかった上で、それでもいう必要があったのだろう。
己を贄にしてでも、尚も──
私が口を開いたのは、彼女が殺されることを望む言葉を吐き出し、何かに祈りを捧げるかのようにロザリオへその手を重ねた時だった。]