― 平原 ―[突き上げの一撃は、交差された腕を切り裂き、一度、止まる] ……中々。[何もせずに、ただ一撃を食らいたくはない。ぎりぎりまで生をつかみ取らんとするその様子に、好感は抱きつつ。けれど、それは憐憫や容赦へと繋がるものではない。己が意地、信念、矜持。それらを貫くために駆けてきた者に対し、向けるべきものではない、と。一個の戦士としての信念から、そう思うから]