人狼物語−薔薇の下国

297 吸血鬼の脱出ゲーム


碧眼 シルキー

[飢えに邪魔されてぼんやりと定まらぬ思考は、目の前の少女を兄であると認識できない。]

「お嬢様」?
ふふ、おにいさまみたいなことを言うのね。

[上品に笑えば一歩、
小柄な少女に近付いて。

首を傾げればまた一歩。
短剣を逆手から順手に握り直す。]

あら、どうして謝るの?
謝らなければならないのは、わたし、なのに。

[既に視線は相手の首元から離れることはなく。
感情を露わにする目の前の少女に不思議そうに訊ねる。]

酷いことをするのは、わたしなのに。

(113) 2015/02/01(Sun) 02:36:32

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