これ……。 ……護られた、のか?[自力で咄嗟に術を使った、などと考えるのは自惚れに過ぎるだろう。 とてもそんな余裕がなかったと、自分がよくわかっている] やっぱオレ、まだまだだな。[ぽつりと呟きながら、牙に受けた予想外の衝撃で動きを止めた鳴蛇に、短剣で今度こそとどめを刺した。 そして周囲の様子を確かめるべく、視線を巡らせる][逡巡するレトへ向けられたのは、そんな折の、やや弱気な眼差しであった]