― キッチン ―
[ベネディクトが新たな来訪者とともにキッチンへ向かっている時、ペーターはそこにいただろうか?
こちらはといえば、ティーカップを片手に窓に寄りかかり、かつてと変わらず手入れの行き届いた眺めている。
と、とうとつに傍のケトルがしゅうしゅうと音を立て始めた>>112]
あらあら、誰の仕業でしょう?
またお客さんが来たのでしょうか、お茶葉はどこへしまったっけ。
あなたに一杯、私に一杯、ポットのためのもう一杯。
お菓子はクッキーから、甘いケーキは最後のお楽しみ➖
[節をつけて歌うように呟いて、かといって準備を手伝うでもなく、誰かくるのかしらと、わくわくしながらただ待っていた]*