[>>93自分の振るった戦斧は金属音を立てて大剣を弾き、幼馴染の左手から武器を離れさせた。――その代わりにもう一方の長剣が肩を傷つけたが。男の羽織る黒いローブと衣服は疵口の血液を吸い取り、やがて裾からぼたぼたと床に血の染みを落としていく。鈍い痛みを主張しながらもぱっくりと開いた疵口は徐々に閉じていくのだろう。だからそこに意識を向ける必要はない。]