[自陣営に戻ろうとするジェフロイらを追う。けれど、それを援護すべく公国兵を排除せんと敵兵が動く。矢継ぎ早に指示を飛ばし白刃閃かせるけれども、現状の兵残存数では、多勢に無勢というもので。すぐ傍らの兵が白刃に腕を捥がれた時。背後に増援を求める声を飲み込み、馬を止めた。絶叫が耳に痛い。馬を失った兵たちが蹲る。自らの右半身も、敵味方の血でべったりと汚している。] ………駄目だ。 [制止の声は短い。無理だとは口にしない、が、状況は明らかだ。]