[ 病気じゃない、痛くないと言いながら…でも、 鎮痛剤や安定剤の服用は知らなくても。 やっぱり、目元の傷跡は…哀しい涙の跡のように見えた。 少しでも、あたためてあげたいと願った手に 返してくれた微笑は、儚く咲く特別な花のようで。 子ども心にも、宝物のようで、とても嬉しかった。 心臓が悪いと伝えれば、掌をあててくれた。 ずっと失敗作の役立たずの心臓だと…自分だと思っていたから。 優しい掌は、泣きたくなるくらいに…あたたかくて。>>2:257]