―グランツェルツ橋での戦から数日後:カトワール―
[ひとまずの勝利とは言え、だからこそ、やることは無数に発生していた。
兵の治療と装備の補充。
戦闘によって傷んだ橋の補修。
船の残骸からの使える部品の選定や物資の奪取。
そうこうしていると、東のほうからダークエルフと思しきものが伝令に来る。
戦の状況の伝達かと思われたが、それにしてはあまりに切迫している。]
伝令、ご苦労。
して、報告は何か?
[焦る様子の伝令の報告を聞けば、クレステッドの表情はみるみる険しくなり、最後には身体を震えさせだした]
………ヴェルザンディが……戦死……だと?
……残存部隊は私の配下に……追って到着予定か。そうか……
……わかった。
……伝令ご苦労。お前の隊の到着まで、暫し休むがよい。