[内部には鉄格子に囚われる形で、数名、あるいは数十名ずつの収容者たちが閉じ込められていた。
喉に大きな傷がある者、そうでなくても鞭打ちの痕や強制労働による異変を抱えた者が多く、胸が痛む。
とはいえ、まずは彼らに自分たちの立場を示さなければならない。
開錠に関わる呪歌を操れるものが散らばって、並行作業で扉を開けていく]
剣にして盾たる剛き者 鍛えられし黒鉄よ
我は命ずその在り様を 時駆けた如くに朽ち果てよ……!
[もはや閉じることは考える必要がないからと、やや強引に破壊の呪を放つ。
そうして幾つもの扉が開けられていくが――多くの囚人たちは呆然と、その様を見守るばかりだった**]