外国による暗殺か、我が国の者による弑逆か。
それも今の時点では分からぬこと。
これを機に我が国を狙わんとした外の者の手によるものであれば、恐らく、この混乱に乗じて我が国を滅ぼさんと乗り込んでくるも時間の問題であろう。
そうでなくとも、隙と見れば諸国は雪崩を打ってやって来るだろう。
全てはこのラメールを、食い荒らすために。
ゆえに、今は絶対に隙を見せてはならぬ。
弔問の態で我が国を探る者らの目に、暁の国は容易に落ちざるものと示さねばならぬ。その為にも、フィオン・オルブライト外務長官。
外交のこと、宜しく頼む。
父上を弑した者が誰であれ、…──その思惑に屈してなるものか。
[最後、声は低く。
そこにだけ消えぬ無念を滲ませて、音は途切れた。*]