[その声に、自分でもはっとしてから。
数瞬の沈黙の後、
『どうしてそんなこと言うんですか…?』と尋ねてみる。
彼がそれらしき答を用意しているとは、思わぬまま。
クレメンスは、たしかにたまに嫌いな相手には
お世辞にも口がいいとは言い難い時もあるけれど。
こういう時に、いたずらに不安にするような試し事を言う人では、
ないように思うから]
………もしも。
もしも、貴方が寄生されていたら。
俺が…責任もって、
隔離するか……殺して、あげます。
だから…安心してて、ください。
[寄生されているはずなどない、なんて気休めは何にもならない。
だから、胸奥の引き絞られるような不安と痛みは堪えて。
少しでも安心してほしくて、もしも自分も寄生されていたら、
そう望むだろうことを、答えた。
実際にそうできるかは、さだかではなかったし、
彼がそれを望むかも、分からなかったけれど。]