い……た、い、けどっ……!
[動けぬ内に詰められた距離。
振るわれる鉤爪を避けるには遅いし、当然、弓を引いている暇もない、けれど]
でも、それくらいで、あきらめ、ないっ!
[このままただ引き裂かれてなるものか、と。
そんな想いは、弓を握る手に逆に力を込めさせる。
いたい、いたいと泣き叫ぶ弱さは強引に押し込めて]
いたいからって泣いてたら、なんにもできない、からっ!
[両手で弓の本体を握り締めるのと、右肩に爪が届くのとはほぼ同時。
その瞬間を狙い、両手で持った弓そのものを、横薙ぎに叩きつけた。*]