[布一枚を隔てて、密着する膚] 大丈夫だよ。 君からはもう貰ったから。[花の綻ぶように微笑んで。] でも、そうだね。出ようか。[一頻りディークのぬくもりを愉しんで、彼の腕から滑り出る。額に張り付くあかがねいろの髪を掻き上げて、幼子を見やった。] 服は外に用意してあるよ。 この館の中なら、君はどこへ行くも自由だ。 何なら、君の血の兄弟たちに会いに行くといい。 全員この館にいる筈だ。