─神代の遺跡─
[>>108いつも通りのやり取りが、これから何が起こるか分からない不安を和らげてくれる。
全員で戻る、は少女も望むところであり。]
そうですね。
[ゾフィヤから誘いを受ければ、水場の方に視線を向けた。
彼女と仲のいいシェンがヤコブと語らっているようだ。
水も花にとっては必要不可欠なもの。
この後にいつ補給する事が出来るか分からない以上、断る理由はなく。
ヤコブやカレルも遅れたか、先んじたか、
少女と騎竜はゾフィヤの後をついて水場へと向かう。
水際に座って騎竜に水を飲ませ、
少女は木苺を暫く観察した後に一つ摘み、匂いを楽しんでから口にした。
素朴な甘酸っぱさが口に広がり、少女は目を輝かせる。
学校の扉を潜るまで、少女は木苺を摘まんだ事がなかった。
お抱えの庭師が世話をする竜の遺した花達の中になかったのもあるが、こういった事は学友達から学んでいったもの。*]