―待ち合わせ場所―
時羽流、まだかな。
[待ち合わせ場所にものすごく早く来ていた。
楽しみで早く来てたとかそんなわけではない、断じてない。ちょっと人と出かけるのが楽しみだっただけだ。]
連絡するべき?
[そうして右手で携帯を操作する。
右手に傷跡はあっても特に不自由はない。
スケッチブックに世界を描くのも食事をするのも平気だ。
ただ、人に見せると困らせてしまいそうだから。
見せてと言われた時くらいしか見せない。
それでも、変な顔された時あったけど。]
……蒸れそう。
[そういえば、どうして彼と行くことになったのかと。
黒いネクタイを緩めながら空を見上げぼんやりしていた。*]