[魂を見るものならば見えるだろう。
倒れたものたちの魂が、ことごとく地面へ吸い込まれていくことを。
もはや敵味方など関係なく、儀式は貪欲に生贄を求める。
捕えられた魂は次々と儀式の間へ、魔法陣の中へと消えていく。
だが、それを見守る魔人の目にはいくらかの不審があった。]
─── 力が溜まるのが遅いな。
連中、恐れを抱いていないとでもいうのか?
これだから、人間というやつは…
[第二王子の声がここまで聞こえたわけもない。>>107
だが、人間たちが勇気と喜びを持って戦いに臨んでいることは知れた。
舌打ちするも、すぐに構わないかと思い直す。]