[ 絆石の共鳴と、癒しの風の助けも受けて、龍の気は宥められ、やがて本来の均衡を取り戻す。表皮に現れた龍鱗は、すぐには消えそうになかったが、どうやら動けるようにはなった ]
クラリッサ、お前、応急手当の道具、持ってただろう?とりあえずトーマスの傷を塞ぐだけでもしといてやるといい。
[ 本格的な治療は中層に戻らねば無理だろうが、傷が塞がれれば、シルキーも落ち着けるかもしれないから、と、そう言って、自らもゆっくりと立ち上がろうとする ]
俺は、龍牙を拾ってこないと......忘れて戻ると、100年後に親父からどやされる。
[ そして『虚無』の残滓も消えた広間の真ん中の床に、どこかぽつねんとした様子で突き立っている長槍に視線を向けた* ]