[私は人間が嫌いだ。
エルフが嫌いだ。
私の姿だけを見て、害を為すと決めつける者が嫌いだ。
この気持ちは、2年前私がこの地に辿り着くまでの20年の歳月が築き上げたもの。
だけど、人間だから、エルフだから。
それだけですべてを拒絶することは、彼らと同じになってしまうから。
カヤのことも、人間だからということで拒絶はしなかった。
でも、私がカヤに花を見せたのは、あの子が人間だったから。
人間であるのに、人間の世界にあるものを知らずに生きていたから]
…少なからず、私はあの子に自分を重ねていたんだろうな。
[エルフの中での異質であった私と、魔族の中の異質であるあの子を同一視していたのだろう]