ゾネスから遠路遥々、苦労の事と存じ上げます。
しかしながら宮中を取り締まるのは近衛兵の役目。
不正を調査し弾劾するのは我らの役目。
そして貴殿の役目は、北の守護神として在ることのはず。
[本当なら、今すぐにでも逃げ出したい。
僕は自分の人生の中で二番目に自分の命が大事だから。
これだけの銃口を向けられては生きた心地がしない。]
……総督閣下。
貴殿の力は、内に向けるべきものなのですか。
それとも、外に向けるべきものなのですか。
[でも、ここは退く訳にはいかない。
いま退いたら、おそらく僕はこの先、最も大切なものを失うことになりかねないから。]*