― 猟人 ―
[落ちても構うな、との言葉に、巨狼はふっと口端を持ち上げる。
背に乗るアーデの安定感は然しものもの。
乗り慣れていると判じ、跳躍は遠慮なく、数度行われた。
繰り出される斬撃と共に厚い層となった守衛を突破し、視界に入る運ばれ行くもの]
<いたぞ>
[短く紡げばアーデもまた視認した>>105ようだった。
元々軽かった背の重みが完全に無くなる。
ちら、と視線を後ろへと向けると、黒翼を広げ舞い上がる姿が見えた。
銛へと変化するアーデの大剣。
狙い定めるそれに先んじて、巨狼が輿目掛けて跳躍した]