[眠れぬままに目を閉じていると、幼い日の思い出が蘇る。嵐の晩だった。帰るのは危ないから、と言われてオットーとヤコブと三人で宿に泊まったんだ。どう言うやり取りがあったんだったか…結局、ヤコブを真ん中にして三人で川の字になって眠ったんだけど。ヤコブにしがみついて寝ようと思っても、何だか背中の方から怖いものが襲い掛かってくるような気がして眠れなくて。真ん中にして欲しいと、泣いて頼んだ。]