― 昼・宿屋 ―
……。
[彼女を待つあいだ、手遊びにステッキを振ってみる。
さっきエレオノーレの衣服を出した時を思い出しながらステッキを触れば]
お、いい感じ。
[ステッキをひと振りすれば、コロコロ、と色とりどりの薄紙に包まれたキャンディが地面に転がり落ちる。ぱく、と試しにひと口食べてみれば、ほんのりと甘い優しい味が広がった。
ふむ、と残りの飴を手持ちの袋に入れておく。
ちなみに拾ったキャンディは様々な色の紙に包まれているが、そのうちピンクの紙に包まれたキャンディは実は口にした相手を発情させる効果があるのだが、そのときはそんなことがあるなど想像もしていなかったのだった。まる]