─ リオレ島東方海域/擬装商船 カストル、甲板 ─
[停まった双子船の片側の甲板に出れば、相手方からは姿の視認ができよう。火を噴かずもひたりと照準を定めた砲門に目を眇めやる。]
問答無用でないのはありがたいな。
[砲火が轟くようなら、すぐに離脱できるよう機関部に再点火を通達しながら、ランチを一隻、海へ下ろすように命を下す。]
ここで交戦する意思は此方にはないこと。
ファミル・アンディーヴが、
貴艦乗船中と見えるウェルシュ・ストンプ候と
面談を希望、とあちらへ。
[また、もし面談が拒否されるなら、ストンプ侯には手紙だけでも渡してきてくれ。と、少数の連絡員を乗せてランチを対面の巡洋艦に向けて送り出す。〕