[フランツに淹れてもらった紅茶を飲みながらディルドレの言葉を聞く。軍服に身を包んだ彼女の言葉は残酷でも、隙の無い正論。それでも、いやむしろ正論であるからこそ、それは受け入れがたい物で]……疑わしい人なんて、いません。[こんなことを言っている場合ではない。なんて、そんなことは私自身がよく分かっていることだったけれど、言わずにはいられない]みんな昔からの知り合いなんです。疑わしい人なんて、いるわけないじゃないですか。