可能性が高いどころじゃない。
人狼は間違いなく、村に残っているこの中にいると思っている。
[敢えて自分が冷静との評価には答えない。突きつけるような言葉にも一歩も引かずに真正面から受け止める。]
ニコラスも知っているだろう?昨日ジムゾンが山を下る道が雪で埋もれたと連絡してきたことを。あれから村に誰も入ってきていないのは明白な事実だ。
――だからこそ冷静でいなくてはいけないと、俺は思っている。
今までずっと助け合ってきた知人の中に、恐るべき人狼がいるかもしれない。そう考えて皆がパニックになるのは仕方がないが、その隙を人狼に突かれるのは気に食わないんでね。
これが戦場で人の死を間近に見てきた、俺のやり方だ。
[ニコラスがどう思おうと、自分は自分の方法を貫くと断固とした意志で宣言する。]