[ゾフィヤは椅子から立ち、メルクーリオに近づこうと足を進める。テーブルの脚に躓いて床へ!慌てて手を着こうとしたが支えきれずに床に倒れてしまった]
[ゾフィヤ服を整えながら立ち上がる。白い肌が少し上気し、乱れた髪の間から彼女の左眼が見える。その目は深い緑。メルクーリオは違和感を覚えた。そう、その目は、ナニモミテイナイ。硝子、いや宝石で出来た目なのだ]
[視線に気づいたゾフィヤは慌てて髪を直して左目を隠した]
…あ…あのっ…ありがとう。
(ちいさな声で付け加える)また、来てください。いつでも。
[吊られてしまう、その状況に似つかわしくない言葉。でも、ゾフィヤにとって胸が潰れずに声に出せるたった一つの言葉だったのだろう]