人狼の手先となり、甘言によって村の議論を引っ掻き回し、偽りを振り撒いた人狼の味方。
最終的に、お前の両親を死に追いやった、忌むべき仇だ。
そして俺も…。
[一度言葉を止めて。やがて思い切ったように、再び口を開き。
自身の過ちに対しての告解を再開する。]
俺はリーザの様子がおかしいことに気付いていた。
あいつの狂気に気付いていた。
[ヨアヒムは小さかったから覚えているか分からないが、あの当時、人狼と人間を見分けることのできる力を持った人間がいた。
占い師、確かそう呼ばれていたと思う。
その占い師がリーザを人間だと言ってくれて。
とてもとても嬉しかった。
だが同時に、やらなければいけない責任を放棄してしまったのだ。
それについては黙したままで、ただ事実だけを告げて。]
知っていたうえで、俺はリーザを疑うことから目を背け続けていた。