[領域内部。
無造作に雪原へ下ろした少女は、座り込みしばし咳き込む。
膝までしか長さのない、この世界の基準で見れば随分と丈のみじかな服装で、それでも寒さ堪え少女は立ち上がった>>93]
その通りだ。
案ぜずとも、隷属し従華となれば、この地も楽園に感じられよう。
[その他多くの生命にとってそうではないことは、寒々しき光景を見れば感じ取れるだろう。
動植物だけではない、氷雪に属さぬ多くの精霊たちですら、氷華の領域たるこの地を厭い、近付こうとはしなかった]
そなたたちの世界……?
はて、どうであるかな。
そもそも、時の流れが異なる故、影響が出てもそれと知る術がないのだ。
[従華の出身がまちまちならば、仮にこちらの影響が出るとして、その時代もまちまちということになろう。
故に、その問いには明確な否定は返さず]