人狼物語−薔薇の下国

201 異端なるモノの舞踏場


銀月の奏者 ソマリ

[す、と手が上がる。
虚空を叩くように、指が滑る。

それに応じて響くのは、旋律。

祖母の形身だという、音楽データの中に残されていた、題名も知らぬ曲。
紡がれる旋律と、合わせて歌う若い男性の声は、何故か風を感じさせるものだった。

『自由』なるもの、何者にも束縛されぬ風。

それへの憧憬が、彼にヒトとしての全てを捨てさせ、今の在り方を選ぶに至らせたとは。

誰一人知る事のない、猫の記憶。**]

(111) 2014/06/02(Mon) 21:51:26

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