― 広間 ―
え、「アルジがいない」って…。
[お茶のいろんな香りが混じっている空間に眼をパチクリさせる。
ここには誰も居ないとシュナは言った。なのにお茶が沸いている。古本屋さんを呼んだ人がいる。わけがわからない]
……そ、それ、飲んでダイジョブなのか…
[もしかしたらシュナのいっているのは、"ばーちゃんの家"で、でも"ばーちゃんのじーちゃんが死んじゃった"から"アルジは居ない"とか、そういうことなのか]
[意味のない推理を少年はぐるぐると巡らせる。
しかし、唐突に響いたオルガンの音は自分の小さな身体には低くくぐもって響いて感じ、思わずびくっと硬直した]
……誰か弾いてる?**