[この時、盟主は戦場を見てはいなかった。
見ずとも、皆がどうするかはわかっている。
混成の隊は二度目の騎馬突撃に対しても
やはり下がろうとはしないだろう。
不退転の意思。
盟主に付けられたその火が消えぬ限りは。
騎馬隊も、挑まれた戦いに真っ向応じるだろう。
本来は逃げながら射るのが得意手だ。
だが正面からできる限りの相手を落とそうとする。
矢を潜り抜けた騎兵と交錯すれば、
血の華がいくつも咲く。
弓隊もまた、矢の射ちあいの中で幾人もが地に倒れていった。
もう逃げ散ってもおかしくないところを、
支えているのは、自分たちの手で未来を作る意思。]