人狼物語−薔薇の下国

176 ねぼすけ狼とうさぎさんの黒い森


よふかし リヒャルト


 ……――ルートヴィヒ?

[意識を失う様眠る彼からの返事は、無い。
浅く早い呼吸、滲む脂汗。あぁ、あの血の臭いは彼自身のものだったのか。
納得すると同時に、激しい怒りがこみ上げた、何故?何に?誰に?

……――あぁ、そうか、
「誰が彼を傷つけた」…?

見つけ出して、八つ裂きにしてやろう。
同じ目に合わせるだけじゃ生温い。

共に過ごすうさぎたちが傷つけられても、そんな風に思った事は初めてだった筈だ。
けれど、「彼」だから特別なのだとは、未だ、気付けぬ侭に、
眠るルートヴィヒを引き摺って来た毛布で包み込み、傍らに寄り添った]

(110) 2014/04/20(Sun) 13:16:51 (yahiro)

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