……――ルートヴィヒ?
[意識を失う様眠る彼からの返事は、無い。
浅く早い呼吸、滲む脂汗。あぁ、あの血の臭いは彼自身のものだったのか。
納得すると同時に、激しい怒りがこみ上げた、何故?何に?誰に?
……――あぁ、そうか、
「誰が彼を傷つけた」…?
見つけ出して、八つ裂きにしてやろう。
同じ目に合わせるだけじゃ生温い。
共に過ごすうさぎたちが傷つけられても、そんな風に思った事は初めてだった筈だ。
けれど、「彼」だから特別なのだとは、未だ、気付けぬ侭に、
眠るルートヴィヒを引き摺って来た毛布で包み込み、傍らに寄り添った]