― 嵐の夜 ―[夜中にふと、目が覚めた。酷い雨が降っていて、雷も鳴っている。ここからでも、窓の外で時折、光るのが見える。ゴロゴロと鳴るその音は、今でも苦手だ。隣に手を伸ばしたけれど、ゲルトの体温は探し当てられなかった。さっきこっそり出てって、まだ帰っていないようだ。きっと、どこかで『食事』をしてるんだろう。僕はそれをやめてくれ、などと言うつもりは毛頭無いけど、できれば雷の鳴っているような夜は隣にいて欲しいな、と思った。]