[公子と守り人との会話に口を挟む気は無かった。最初に言った通り、中に何がいようと構わない。行く手を阻むものを排除しろと言われれば、そうするだけだ。そういう展開になりはしないかと耳だけは傾けていたら、力と意思を示せと聞こえてきた。] ──殿下。[剣を構える公子に、後ろから呼びかける。それは、他からの声とは多少色を違えていた。]