―廊下―[ゆらりと姿を現す男の顔は青白く、昏く染まった空色の瞳が微かに帽子の下から覗いた。口許は優雅に弧を描き、空しい呟きを繰り返す] ―――…貴女が、欲しい。 貴女だけが欲しい。[足取りは、むしろ軽やかに。辿り着いたのは、三者の集う血の惨状。その異様な光景に関心を示さず、滴る血にも目もくれず、彼はたった一人を求めた。対峙するアルビンとツェーザルの隣を通り抜け、倒れ伏す少女>>100の傍らに恭しく膝を折る] お迎えに来ました、お嬢様。[向ける微笑みは、唯、優しい]