― 回想・宴の発端 ― >>99
[獲物を嗅ぎ分ける嗅覚は無いわけじゃあないけれど、基本は地道な調査なんだよ、とテレパシーでも使えたら応えていただろう。
普通の狩人と同じで、狩りの成功は準備が9割だ。
吸血鬼になった時点で道を踏み外してんだよと心の中で答えながら投げたダーツは、的を違えることなく相手に刺さる。
自分で左腕を切り落とすなんて大胆さに焦ってボウガンを構え直したけれど、逃げようとする相手の動きがたちまち鈍り、落ちてきた。]
動けないよね。
そのまま大人しくしててよ。
[血を操る技まで使える相手だ。
なお用心して、落ちた相手の両脇を狙って鎖付きの矢を放つ。
そこまでしたらようやく最終段階だ。
聖典をびっしり書き綴った布の袋に詰め込んでしまえば、霧になったって逃げられない…との売り文句だった、**]